
享保三年(1718年)創業。
京都・鴨川のほとりに佇む「京料理 ちもと」は、
三百年にわたり、時の作家や文人、そして川向こうの南座の歌舞伎役者たちに愛されてきました。
その建物の中には、名士たちが残した書画や器、北野武氏による寄贈作品が息づき、
まるでひとつの時の美術館のような空気が流れています。
この「時の厚み」や「文化の香り」を、どのようにウェブという現代のメディアに凝縮できるか。
私たちは、雅を単にみやびやかなだけではなく、ここに息づく時間と文化人の感情を圧縮する姿として捉えました。
撮影では、女将が語る“雅”を映すため、
夏の夕暮れの川床での営業風景をドローンで収録。
光と風、川面の揺らぎ、器の輝き、芸妓さんたちの所作──
それらが交錯する一瞬を、「ここでしか生まれない絵」として描き出しました。
デザインは極力控えめに、季節ごとに変化する設や八寸が奏でる
余白と間合いの中に美を沈める構成に。
スクリーンの向こうに、三百年の呼吸が静かに、また今をともなって漂えばと考えました。
老舗という言葉を超え、京都という精神のレイヤーをどう可視化するか。
そののひとつの答えが、この「京料理 ちもと」ウェブサイトです。
